女性だけで自然を楽しむ「Näkid Metsa(ネキット・メッツァ)」

今回は、エストニアで女性だけのアウトドアツアーガイドサービスを行うサービスを運営するStiina Kristal(以下スティーナ)さんにインタビューしました。

スティーナさん近影(Näkid Metsa提供)

女性が企画するハイキング
スティーナさんが女性のためのアウトドアツアーを始めた理由をまずは伺うことにしました。
「男性は小さな頃からキャンプなどでさまざまなアウトドアに関することを習ったり経験するのですが、女性は教わったり、経験が少ないのです。けれども、女性も同じように自然を楽しむことはできるはず」とスティーナさんは言います。Näkid Metsaはスティーナさんの他に3人の女性がチームとして参画しており、それぞれアウトドア資格を持ったガイドや長距離ハイクの経験があったり、ヨガ、マインドフルネスを得意とするメンバーなど、アウトドアに精通したメンバーが関わっています。そして、2021年の春から始めたビジネスで今年で2回目のシーズンとなります。
スティーナさんは大学時代からデンマークに住み、その後は世界的なホテルやレストランのカスタム照明ソリューションのデザインエンジニアとして働いていました。5〜6年デンマークに住んでいるうちに長距離ハイキングに興味を持ち始め、デンマーク国内にとどまらず、世界中の山々に登りました。しかし、エストニアの自然はNäkid Metsaの利用者にとってはとても良いことだとスティーナさんは気づきました。

(Näkid Metsa提供)

ツアーのシーズン
Näkid Metsaのツアーは8人の参加者に2人のガイドでもちろん全員女性です。基本的にはInstagramやFacebookで情報発信しています。参加者は持ち物リストに沿って準備します。不足しているアイテム (バックパック、テント、寝袋、マットレス、ポット、ストーブなど) についてはNäkid Metsaが準備します。荷物が少ないので電車やバスのような公共交通機関で集合場所に集まることができます。
ほとんどの場合は金曜から日曜にかけての週末に催行します。移動の距離よりも、自然の中に身を投じてたくさん休んでアウトドアの用品や食事について話をすることや、ヨガや森林浴をしてしっかり今を感じることを大事にしています。

(Näkid Metsa提供)

例えば、南エストニアのVärska(ヴァルスカ) や、首都のTallinn(タリン)に比較的近いAegviidu(アエグヴィードゥ)、 Lahemaa(ラヘマー)には広大な森林と湿地が広がっています。美しい湿地に行き、そこで日の出を目にすることができたら完璧な週末です。
プライベートのハイキング(例えば、母娘、女性同士の誕生日祝いなど)やノルウェー、スコットランド2カ国に1週間ハイキングをするなど行っています。
11月中旬から4月中旬までは、初心者が行うテント泊のハイキングにはあまり良い季節ではないので、Näkid Metsaとしての活動はお休みします。ただ、雪のハイキングは美しいので、皆さんを連れて行きたいと思っています。
Näkid Metsa休みの間は、昨年は南アメリカへ登山に行きました。今年は、キャンピングカーの整備を完了させて、スイスに向かう予定です。

ツアーで食べるもの
全ての食べ物をNäkid Metsaが全ての食べ物を準備します。プライベート参加者の希望に応じて用意することができます。(例:パンケーキを作る、ワインなどの重い荷物なども持っていく)外で食べる料理は長距離を歩いた後、普段とは比べ物にならないほどおいしく、それが、ハイキングでの醍醐味でもあります。
ハイキングではパンケーキを作るのですが、もし、森でキノコやベリーを収穫できたら、それらを使ったお茶や料理を食べることができます。

(Näkid Metsa提供)

独自のコミュニティーで友達を作る
人々がなかなかハイキングやアウトドアに出られない理由は、ハイキングやアウトドアアイテムについて、わからないことがあったり、同じようなことに興味を持つ友達がいないことも要因だと語ります。
ただ、Näkid Metsaのツアーに参加してハイキングで友達が作れたり、独自のコミュニティーがあります。初心者だけでなく経験がある人とも交流できます。それらによってわからないことを知ることができたり魅力に触れることができます。
毎回のハイキングツアーで違うメンバーが参加し、毎回その時その時で最高の想い出ができるのがこのツアーの特徴です。約半数の参加者がリピーターで、新しい場所または違う季節を体験したいと言われるそう。

Näkid Metsa(ナッキト・メッツァ)の由来
「Näkid Metsa」この名前に決めた理由はエストニアの神話をイメージしています。また、女性的な雰囲気も感じられます。ミステリアスな森に女性を連れて行くという意味合いもあります。

※追加説明(2022.11.10)
Näkidは元々はエストニアや北欧などの神話に登場する水の妖怪です。その水の妖怪は女性をイメージさせることが多いとされています。

女性のハイカーにとって注意したいポイント
2本の脚がないと何もできないので、まず、脚を大事にすることです。
必要あればストックを持ち、脚運びに注意してほしいということと、靴擦れをできるだけ避けてほしいなと思います。そして、たいてい初心者は荷物が多い傾向にあります。こちらの説明には持ち物リストはありますが、20kgも持ってくる人がいますとスティーナさんは苦笑いします。ちなみに、慣れた参加者になると7kg程度の小さな荷物で済みます。

(Näkid Metsa提供)

エストニアのハイキング
エストニアではハイキングは日常のことです。長距離のトレイルは道に迷わないように、バーベキューができる場所や避難所はRMKがしっかり管理メンテナンスをしています。また、海、ヒーウマー島、湿地、森、湖などバリエーションに富んだ景観もエストニアのハイキングの長所です。エストニアでは、熊は最も目にする確率が低い森の動物です。彼らは人々を見ると狩人だと思うのか、とても怖がります。スティーナさんたちは今までにヘラジカやイノシシには遭遇したことがありますが、熊に遭遇した経験がないと語ります。

キャンピングカーでの生活
2年ほど、スティーナさんとパートナーはキャンピングカーで生活しています。小さな不便なことはありますが、生活のコストが非常に安いということが最大の利点です。ヨーロッパやスカンジナビア中を移動しながら一ヶ所に1週間滞在というかなりゆっくりの旅をしています。

日本から参加も歓迎
海外からエストニアに訪れてツアーに参加したいという希望は叶えられます。通常Näkid Metsaは週末に開催されますので週の真ん中はプライベートのハイキングもガイドが可能でする女性同士でエストニアを訪れたときや、ひとり旅で知り合いがいないし、どう時間を過ごしたらよいかわからないという方、特別な経験をしてみたいという方は、ぜひFacebookページでご覧ください。
エストニアのリアルな自然をプロと一緒に安全に楽しんでみませんか?


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