エストニアのAniMatsuriを創ったカイアさん


エストニア最大のアニメフェスティバルの「AniMatsuri(アニマツリ)」をご存知ですか?
毎年1度、9月から10月に開催しています。2007年から13回続いているエストニアのアニメ好きに、知らない人はいないフェスティバルです。現在では、約1000人もの参加がある大きな規模の催し物となりました。このフェスティバルを作ったのは、他でもないKaia Jallaiさん(以下カイアさん)です。

カイアさん(画像:カイアさん提供)

主業はモバイル決済サービス会社に勤務
大きなフェスティバルを運営しているカイアさんですが、実はメインの仕事はIT関連の仕事をしています。モバイル決済サービスの会社で、世界中のキャリアと調整交渉するプロジェクトマネージメントをしています。その他は月1度、タルトゥ大学大学院パルヌ校でリモートで講義を受け、アントレプレナーとプロジェクトマネジメントについて勉強しています。

日本のアニメはドイツ経由だった
カイアさんは若い頃「アタックNo.1」「セーラームーン」「ドラゴン☆ボール」などを観て育ちました。カイアさんの住んでいたエストニア南部のタルトゥで、ドイツのテレビ番組を観ることかできたため、たくさんのアニメに触れることができ、それを観ることでアニメが好きになったのです。その時は、まだ日本のアニメを知っている人がエストニアにはいませんでした。
カイアさんは、インターネットのフォーラムの中で、アニメについて話していると、アメリカ、ロシアなど他の国ではアニメフェスティバルをすでにしていると聴きました。そこで、カイアさんはエストニアでも開催したいと思い始めました。
AniMatsuriは年に一度、9月から10月にかけて開催されています。最初に開催したのは2007年でした。この年はエストニアで、JAFFという映画のフェスティバルも開催を始めた年でもあります。

参加者が70人から1000人へ
開催当初、参加人数は70人。2007年に始めた頃はAnnelinnaユースセンターで行っていましたが、回を重ねるごとに参加者は増えて行ったので会場をカンファレンスセンターに移しました。コロナ発生前の最後に行われた2019年は、1000人以上の参加者が来る大きなイベントに成長しました。

幅広い趣味、年齢に
AniMatsuriは2つの部門に分かれてイベントを開催しています。1つはAniMatsuriです。イベントの特徴として若い年齢層(14歳から21歳前後)が参加します。アニメについての講座、コスプレ、アニメの音楽を中心とした内容にしています。もうひとつはJaapanikuu(日本の1ヶ月)という文化活動イベントです。1ヶ月間、幅広い世代の人々向けに日本の文化的な活動や映画を紹介します。映画は日本大使館とThe Japan Foundation(国際交流基金)から協力を得て開催します。


運営仲間15人は1年前から準備をしており、アニメに興味があるボランティア30人はイベントの時に動きます。お客様だった人が、イベント運営に興味があるからということで、ボランティアとして手伝ってくれる人もいます。個人個人の責任や負担を小さくしてそれぞれが、少しずつできるようにします。アニメは好きな人々ですが、毎日アニメを観るという人ばかりでもないです。このイベントを通して、運営することに興味が湧いていることが多いです。


困難は挑戦できるチャンス
カイアさん自身はイベントマネジメントが好きなので、問題が発生してもその問題を解決したいと思う気持ちが強く、困難だと思っていません。今のチームはとても仲が良くカイアさんを介することなく、チームだけでものごとを進めることができるようになっています。カイアさんは、チームを成長させることで達成感を感じます。また、イベントの雰囲気を楽しんで、参加したお客様が喜んでくれていることは励みになっています。
2019年には日本の外務大臣から、日本とエストニアの相互理解と促進に貢献したとして、賞を授与しました。(賞についてのリンク)カイアさんたちは長年の活動が形となって実ったと感じました。

スタッフ、ボランティアの様子(画像:カイアさん提供)

イベント知名度が上がっている感覚
会場探しの時にも、少し話せば「あの、コスプレをしているイベントだよね?」とすぐに理解してくれる人もいます。ある時、バスに乗車していると子供が友達同士や先生とAniMatsuriの話題を話していることを目にすることもありました。そのようにしてエストニアの中で、AniMatsuriが浸透していると感じることがあり非常に嬉しく感じます。
実はAniMatsuriは、そもそもインターネットフォーラムのコミュニティーの中のイベントとして始まり、今ではTiktok、Discordなどのコミュニティページなどプライベートのグループ内でシェアされています。ですから、ここまで知名度があるイベントになるこというのが面白いことです。

即売会の様子(画像:カイアさん提供)

エストニア人の需要
アニメが好きなエストニア人は、全て知りたい、欲しいという欲求が強いです。また、日本全般に興味のあるエストニア人はコスプレ、寿司ワークショップ、日本語レッスン、日本への旅行について特に知りたいと思っているようです。
エストニアでTourestという旅行に関する展示会があり、カイアさんは日本大使館のブースに参加しています。会場では日本の知識がまだそれほど深くなく、旅行料金、ホテルの予約などの基礎情報を質問する人が多いです。

今後の目標
大学院を修了することです。そして、コロナの影響で2020年から実施できていないAniMatsuriを再開できたらと願っています。
海外で開催されるSupernaturalのイベントが延期になっているので、そのイベントに参加するために旅行に行くのがカイアさんの目下の夢です。イベントに行くと他のファン仲間と交流ができるのが好きと目を輝かせながらおっしゃっていました。


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