リトアニアと日本を繋げるサンドラさんの夢

日本のアニメに魅了された幼少期
「日本との直接的なきっかけは2016年に東京を旅したこと」そう語るサンドラさん。
もともと、小学校の時には日本のアニメのドラゴンボールを見て日記に孫悟空への日記をしたためたそう。孫悟空に読まれることのなかった日記の内容を胸のうちに秘めた彼女は、やがて大学生となり、カウナスのヴィトゥータス・マグヌス大学のアジア研究へと進学しました。大学では日本の文化クラブに入り、幼かった頃に好きだったアニメの国、日本への興味に貪欲に吸収していました。

幼い頃のサンドラさん

悟空はロンドンにいた!
時を遡ること2015年、イギリスはロンドンでサンドラさんはアルバイトをしていました。そこでのちに夫となる佳樹さんと出会いました。日本のヘビーロックバンドDir en greyが共通の趣味でたちまち意気投合し、2016年にサンドラさんは佳樹さんの故郷である日本への3週間の旅を実行しました。
幼い頃からの憧れの地である日本で、3週間の滞在期間で訪れました。東京、大阪、京都に行き、それまで体験したかった経験ができたそうです。特に、たこ焼き、お好み焼きを食し(当時はヴィーガンの生活ではなかったため食していました)、伏見稲荷、USJの思い出が強く心に残っているとサンドラさんは言います。その後、遠距離恋愛を続けていた佳樹さんとサンドラさんは2018年に結婚されました。ずっと学業の継続について悩んでいたサンドラさんは、佳樹さんと話し合いを重ね日本への2020年には大学を辞めて、東京へと移住することにしました。
サンドラさんはこの日もう一つ大きな決断をします。それは「ヴィーガンにライフスタイルを変えること」

ロンドンのハイドパークにて

リトアニアと日本の違い
日本での生活でサンドラさんが何よりもびっくりしたことは、リトアニアと比べると多くの人がいること。そして、「山」があること。八ヶ岳に行き、壮大な自然に感動したそうです。しかし、少し不便だと思うこともあります。タトゥにヨーロッパほど寛容ではない日本の風土があるため、残念ながら温泉などではなかなか自由に楽しめない気持ちになるそうです。

おすすめのヴィーガンレストラン検索方法
サンドラさんは現在、外苑前近くのTokyo Juiceというジューススタンドで働き、2年が経ちます。夫の佳樹さんと共にヴィーガン生活を実践し、日本でのヴィーガン生活に徐々に慣れ比較的過ごしやすくなったと言います。意外なことに驚くと、Happy Cowという検索サイトでヴィーガンフレンドリーな飲食店を簡単に見つけることができると教えてくれました。

リトアニアの蜂蜜酒(ミード)で日本とリトアニアを繋げる
現在、サンドラさんと佳樹さんはリトアニアと日本を結ぶビジネスをしています。
Sventeと言う名前のオンラインショップを立ち上げて、リトアニアの個性豊かな商品を日本市場に紹介しています。取り扱う商品は、酒類、ヴィーガンスナック、琥珀アクセサリー、コースターなどの雑貨類と多岐にわたります。佳樹さんがリトアニアに訪問した時、デューティーフリーの店でボトルがとても可愛いリトアニアのミード(ハチミツのお酒)を見つけたのが、ミードをリトアニアから輸入しようと決めたきっかけです。ミード専門のブルワリーに足を運び、ミードがどのような思いを持って造られているか知ることとなります。

熱意は冷めやらず、佳樹さんは酒類輸入免許の取得を完了すると、すぐに国内にミードを入れる手続きをしたそうです。ミードの歴史は長く、世界最古の酒と言われており、蜂の巣に雨が落ちてそれが発酵したため偶然にそれが酒となったのがミードの始まりだそうです。
中世のヨーロッパでは満月にミードを飲むと子宝に恵まれると言われ今日の新婚旅行のことを「ハネムーン」の語源となったとも言われています。ミードの味は日本人に親しみやすい梅酒をすっきりとさせたような味わいで、自然な甘みが漂う奥深いお酒だそうです。まだ、日本国内でもそれほどミードを味わえる場所が多くないのですが、サンドラさんと佳樹さんが取り扱う貴重なミードを体験するには、西荻窪にあるThe Old Arrowさん、千葉の船橋にあるOnce upon a timeさんで飲むことができます。

ミード製品各種

サンドラさんがおすすめする、リトアニアで見に行ってほしいスポット
特におすすめのリトアニアで行くべき場所は、サンドラさんの通学先でであったカウナス、首都のヴィリニュス、海岸に近いニダです。
首都のヴィリニュスは古い街の様子を感じることができる旧市街が特におすすめです。
カウナスでは世界から集められた鬼のマスクが展示されている悪魔博物館は必見です。杉浦千畝がユダヤ人をナチスドイツの魔の手から逃すビザを与えた、杉原記念館も訪問してほしい場所だそうです。

サンドラさんの今後の夢
メタルバンドのコンサートに行きたいと考えています。せっかく日本にいるので、日本の国内旅行を楽しみ、もっとおいしいヴィーガン料理に出会いたいと思っています。輸入の仕事を今よりもより多く従事して、Sventeスタイルのリトアニアの良い商品を日本国内に紹介していきたいと考えています。

夫の佳樹さんとサンドラさん