読んだらやってみたくなる! ラトビアのアウトドア

「ラトビアでアウトドアをしてみよう」という日本人は少ないかもしれません。しかし、ラトビアは自然の宝庫。山がほとんどなくハイキングに最適の環境なのです。そんなラトビアのアウトドアガイドのMartins Kalnberzinsさん(以下マーティンスさん)にお話を伺いました。

マーティンスさん(画像:本人提供)

ハイキングビジネスをすることになったきっかけ
ハイキングガイドの前はヨーロッパ中で建設管理者の仕事をしていました。Hiking in Latviaというマーティンスさんが作ったサービスは、2015年の年末からスタートしました。
実はそれ以前の2012年からはFacebookに趣味として登録をしてハイキングの活動をしていました。その年はイタリアから帰国し、山にハイキングに行きたいと考えていました。ラトビアは山がない国ですので、もちろん海外です。当時ラトビアには山へハイキングに連れて行ってくれるガイドの会社は2社でした。
ひとつめは大きな高級アウトドアグッズを販売していたショップが、キリマンジャロに7,000USDのツアーのサービスでした。ふたつめは300ユーロで安いのですが、サポートは何もないというツアーでした。そこで、マーティンスさんはFacebookで年に数回の少人数のツアーを始めたのです。

ハイキングツアーがブームに
2015年に7カ国(リトアニア、ポーランド、ドイツ、オランダ、ベルギーフランス、スペイン、ポルトガル)の海岸線に沿って8ヶ月かけてマーティンスさんは夫婦で自宅からポルトガルのリスボンに向かって資金がなくなるまで続けました。
ラトビアに帰国後の2016年はラトビアはじめ、世界中でハイキングが流行ってきました。マーティンスさんは70人とラトビア国内でのハイキングツアーを開催しました。
最初の2日間のハイキングは募集開始から3時間で完売となりました。しかし、この値段設定は実は安すぎる価格だったのです。そして適正な価格を調べるために、ラトビア以外にもエストニア、タトラ山脈(スロバキアとポーランドの間)、スイスへのツアーを始めました。そして適正価格を設定することができた後、会社を設立しました。2017年は、なんと285日間も仕事で家を出ていました。
2018年には管理者として働きました。大好きな旅をする時間もなくなってしまい、結果的にはマーティンスさんにとっては良い選択ではなかったのです。そんな折、コロナがビジネスの全てをストップさせました。
実は大きくなりすぎたビジネスを縮小させようと考えていた時だったので、ビジネスが強制的に無くなったことはマーティンスさんにとって、良い点でもありました。

ラトビアのハイキング人口の3分の1が顧客
マーティンスさんは現在、大きな旅行会社と業務提携し、ラトビアの全てのハイキングビジネスを網羅することになります。ラトビアのハイキング人口は30,000人と言われています。この3分の1がマーティンスさんのハイキングツアーのユーザーです。
コロナが落ち着いてきたので、人々は小さな人数のハイキングに出かけたいと思うようになりました。数年前まではSNSで全ての情報がシェアされていましたが、旅に出る時もWhatsAppでツアーメンバーだけのプライベートグループを作ります。現在、既に400を超えるチャットグループがあります。プライベートグループでのやりとりで、ハイキングツアーが始まる前に、誰がどれだけのことができるのか、何をおすすめするかを開催者も知ることができます。プライベートチャットグループに主催者と参加者は投稿していきます。時にはハードなハイキングをする人々のために、トレーニングキャンプもしています。

ハイキング市場はかなり小さく、ラトビアの中でも2,000人ほどしか活発にハイキングはしていないので、ラトビアではこの市場は成長できないと考えていると語るマーティンスさん。そのために、新しいビジネスも作っています。Latvia Challenge というハイキングに人々が自分たちで行けるアプリケーションのサービスです。
ラトビアで12個、25〜30kmのコースがラインナップしています。コロナ禍において、このアプリはとても人気になり、開発は現在も継続しています。エリアも広げ、より良いルートを提供します。ハイキングが好きな人々のために、どうやってそのルートまで行けるか、どこで寝ることができるかなど検索できるようにしてハイキングツアーと一緒に販売したいと思っています。

ラトビアでハイキングアプリを使うなら
気軽なハイキングに使えるのが、 dodies.lvというアプリケーションです。マーティンスさんが一番にお勧めする地図です。これはとある家族が実際に行った小旅行の記録をに公開しています。マーティンスさんが自身のアプリ開発をするときに参考にされたほど良いアプリケーションです。比較的短いハイキングにはMapsMeを使用しています。ハードなハイキングの場合はBalticMapsというアプリを使っています。ネット環境が良い場所で機能するアプリとしては、LVM GEOというアプリが森林のハイキングに適しています。
アプリを使う理由は、その場所が国有地なのか私有地なのかを確認する必要があるからです。テントを張る時は私有地に張ることは許されていません。ちなみにラトビアの約半分が私有地です。また、国有地であっても自然保護のために入場が制限されていることがあります。
海辺の街Liepāja(リエパーヤ)からバスで移動すると500km続くラトビアの海岸の砂浜があります。砂浜や周辺のキャンプ場ではテントを張ることはできますが、焚き火をすることはできません。テントがなくても、周辺にはホステルもあります。

アプリと地図でルートを確認(画像提供:hikinginlarvia)

ラトビアでのおすすめのアウトドアスポット
ラトビア国立公園は数日間のハイキングができます。その中の、Gauja Natinoal Park(ガウヤ国立公園)やKemeri National Park(ケメリ国立公園)は比較的アクセスしやすい素敵な場所です。

ガウヤ国立公園の動画

国立公園以外では、海岸沿いのハキングも良いです。首都のリガから近い海岸の町のLiepāja(リエパーヤ)にラトビア人の多くは出向きます。また、ベラルーシ、ロシア国境近くのKrāslava(クラースラヴァ)は典型的なラトビアとは異なる街の情景を見ることができます。リガからわずか40kmの距離のガウヤ国立公園Sigulda(スィグルダ)はおすすめできます。
公共交通機関はひとつの場所から次の場所へ行く時にはどうしても時間がかかりますので、国際免許を持っている方はcitybeeのような人気のレンタカーアプリもあり、現地で気軽に使うこともできます。
注意:国際免許を持っていてもEUの免許出なければ運転できないことがわかりました(2022.10.05追加)


冬のハイキング
実は夏よりも冬の方がハイキングは良い季節です。木々に葉っぱがついてないので、冬には別のルート上を歩くことができます。また、夏はラトビアではコンサート、結婚式、友達を訪ねるというイベントがありますが、冬はこれらがなくなります
冬のハイキングのポイントは用意する道具です。ハイキングには基本的に悪天候というものはなく、自分たちが持っているアイテムが悪いだけだとマーティンスさんは言います。

ハイキングで気をつけたいこと
森に長時間いるならテントは雨、昆虫、特にアブに対してとても有効です。ラトビアは夏とはいえ、氷点下1度になる場合もあるのでマイナス対応の寝袋を持っている必要があります。
たまに、とても多くのものを購入してバックパックにたくさんの道具や服を持っていく人もいます。過去の例では、斧やロープを持ってきた人がいたり、服が多すぎる人もいます。
ズボン1着、Tシャツは最大2着(必要に応じて洗う)、ジャケットは1着が良いです。
これとは反対に持っていく必要があるものもあります。水は2リットル持っていく必要があります。重いものを持ち込みたくない人は、必要に応じて川から水を汲んで沸騰させて飲みます。
ハイキングの用意するアイテムはこちらでも確認できます。(ラトビア語ですがgoogle翻訳などで変換してみてください)

ラトビアの森の動物たち
マーティンスさんは、エストニアやロシアから熊がラトビアに越境し、数週間前にも熊に襲われたというニュースはありました。最近のクマは文明化されているので賢いと語ります。また、3年前はビーバーがハイカーに対して噛み付くと言うこともありました。ほとんどの動物は繁殖中以外は特に問題はないのです。森の中で一番危険な動物はマダニです。脳炎を起こすなど致命的な傷害になりかねません。初めは風邪に似ているのでわからないのですが、毎年数人亡くなっているので早く医者に行く必要があります。ワクチンもありますので、危険を回避するためにワクチン接種を受けるのも一つの方法です。このほかに、1種類の毒蛇がいますが、気をつければそれほど危険ではありませんと教えてくれます。

ラトビアで食べてほしい料理
マーティンスさんは微笑みながら、国民食はやっぱり、ピザとシャシュリク(串でさしてある肉と野菜)です。ご本人はイタリアの屋台で食べるピザが好きで、ラトビアのピザは肉がたくさんトッピングされていたり、シャシュリクももしかしたら本場よりもラトビアのものの方が美味しいです。と語ります。
豚肉と玉ねぎを灰色えんどう豆で調理したPelēkie zirņi ar speķi (ベーコン入り灰色豆)はラトビアでしかいただけません。リトアニアの料理のツェペリナイもおすすめと教えてくれました。

目標
マーティンスさんはいずれ自身の本を執筆したいと思っています。「若い頃は誰しも大きな夢や目標を持ちますが、人生を経験していくと、小さなことが素晴らしいと感じてきます」とマーティンスさんは語ります。
マーティンスさんは、4歳になる子供と家族の幸せを願うお父さんでもあります。早い子供の成長をできるだけ見ていたいという思いから、現在は旅に出る時間を少なくしています。小さな幸せを重ねることが大きな幸せにつながると話してくれました。

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