「ラトビアで最も有名な日本人歌手」 Masakiさん

今回はMasaki Nakagawaさん(以下、Masakiさん)のラトビアとの関わりについて、語っていただきました。

Masakiさん(画像提供:Masakiさん)

音楽と共に育った環境
Masakiさんのお母様はピアノの先生で、4歳からピアノに触れ、気づくと音楽がないことは考えられない環境に育ったのです。やがて中学生になると楽器がピアノからギターに変わりました。徳島大総合科学部人間文化学科に進学し、2014年にゼミのカナダ人の先生から、ラトビアの大学訪問に行かないかと誘われ、2014年3月にラトビアの首都リガから車で30分ほど離れた、イエルガワ市にあるラトビア農業大学へ行きました。3泊程度の滞在だったのにもかかわらず、Masakiさんはなぜか「ラトビア」との繋がりを感じたのです。

姉妹都市提携を目指す大学生
Masakiさんの出身地である神戸は、ラトビアの首都リガ市と姉妹都市であることも繋がりを感じる要因ではありましたが、それ以上に、徳島で大学生として過ごしていた徳島市はイエルガワ市に地形、歴史、川(吉野川、リエルペ川)を中心として生活が広がる街の様子、踊り(阿波踊り、バレエ)、日本では比較的当たり前になってきた、市としてのマスコットキャラクターがラトビア国内で唯一存在するなど、多くの共通点があることに気づきました。Masakiさんは大学在学中の目標を、イエルガワ市と徳島市を姉妹都市として結ぶことと心に決め、多くの時間を姉妹都市提携のために費やしました。
姉妹都市提携のためには、市役所、大学、大使館、外務省全てに話をし、提携することにより双方の都市に利益をもたらすことができるかを考えていく必要がありました。
Masakiさんのラトビアへの興味は日に日に増すばかり。初めてのラトビア訪問から、たった5ヶ月後の2014年8月からは、7ヶ月の交換留学生としてリガにあるラトビア大学に留学をしました。

ラトビアでの留学時(画像提供:Masakiさん)

日本とラトビアを結ぶためのアクション
Masakiさんの大学在学中に姉妹都市提携を締結するプロジェクトは、さまざまな乗り越えるべく課題があり、困難が予想されました。まずは日本とラトビアの大学同士の提携であれば、在学中に実現が現実的であるとアドバイスがあり、Masakiさんは大学の提携を目指すことにしました。
Masakiさんが初めて訪問したラトビア農業大学、そして7ヶ月の留学をしたラトビア大学の2校と、自身の徳島大学を提携することにしました。徳島大学とラトビア農業大学は短期留学の提携校として、また、徳島大学とラトビア大学は長期留学の提携校として結ばれることとなりました。そして、Masakiさんが卒業した今でも、徳島大学はラトビア大学と提携校の関係を継続しており、後輩の学生も提携校のシステムを利用することができます。

徳島大学とラトビア大学が学術交流協定締結をしたリリースはこちら
駐日ラトビア特命全権大使がラトビア農業大学との交流から表敬訪問をした際のリリースはこちら

会社員と歌手の両立
大学卒業後はMasakiさんは2016年には社会人となり、日本での仕事のキャリアを積んでゆく一方で、ラトビアのルーイエナ町と姉妹都市である北海道東川町へ足しげく通い、音楽活動のキャリアも同時に重ねていきました。
2017年、MasakiさんはYoutubeチャンネルで、Mana dziesma(マナズィエスマ)というラトビアで親しまれている歌をうたう動画を公開したところ、世界に住むラトビア人の間で瞬く間に「ラトビア語の歌をうたう日本人Masaki」が広がり、17万回もの再生数の動画となりました。
また、Facebookはフォロワー数が2万人。Masakiさんの活躍を見守っているファンがいます。これらのファンの99%がラトビアに住む人々とその他の国々に住むラトビア系の人々で構成されています。SNSを通じてMasakiさんはラトビアで最も有名な日本の歌手になったのです。

17万回再生されている動画(Youtube)

音楽でラトビアと日本を結びつけたい
コロナになってからというもの、日本とラトビアの往復は以前より困難な状況でMasakiさんは日本国内でラトビアとを歌でつなげる活動をしています。
徳島大学での講演、東京オリンピック関連イベントやラトビア・日本友好100周年イベントのパフォーマンスなどラトビアと日本をつなげるMasakiさんの活動はますます広がっています。
Masakiさんは、ラトビアと音楽を通じて、ミトンや雑貨を扱う方と繋がりを持てたり、ラトビア大統領来日時に駐日ラトビア大使館で歌声を披露することができたことなどの経験は、もしも音楽に携わっていなかったら、今の自分自身はいないということが多くあると言います。

2021年12月 ラトビア・日本友好100周年イベントでのライブコンサート(Youtube)

ラトビアでしか経験できないことって?
日本からラトビアへ行く方にラトビアの楽しみ方をMasakiさんに教えていただきました。
「ラトビアでは、さまざまな言語が普段から使われていて、ラトビア語、ロシア語、英語などその瞬間その瞬間でみんなが使い分けています。これは日本では体験できないことです。」
「ラトビア人の性格は、日本人に似ていて恥ずかしがり屋が多いです。ただ、仲良くなると非常に親切に接してくれる傾向があります。また、彼らは人生を楽しんでおり、音楽やリズムを愛する愛国心にあふれた国ということが、ラトビアのさまざまな場所で感じることができます。ぜひ、現地の方と積極的に会話をしてみてください。」
「ラトビアには「ラトビアの日本食」があります。ラトビア人の好みに調整された寿司はカリフォルニアロールのような味です。」
長年ラトビアに関わってきたMasakiさんのおすすめのラトビア料理の楽しみ方を試してみませんか?

2022年夏 ラトビア全国ツアー
今年の7月末から8月初めにかけて、ラトビアの都市でライブツアーを開催することとなりました。ドイツ出身のヨーロッパ最大の音楽祭、ユーロビジョンにラトビア代表として出場したことのあるJöran Steinhauer(ヨーラン・シュタインハウアー)さんとMasakiさんのコラボツアーです。日本との姉妹都市を中心に、複数都市で公演予定です。
音楽でラトビアと日本を結ぶMasakiさんのご活躍を今後も注目していきたいですね。

Masaki NakagawaさんのInstagram
Youtubeチャンネル 「Masaki Nakagawa Music」