エストニア人2人が行く、ヒッチハイクの日本旅

今回はVerner Sääsk(以下ベルネルさん)とAlise Metsküla(以下アリーセさん)の2人の日本でのヒッチハイク道中について伺いました。ヒッチハイクについては安全面など、さまざまな見解があるかと思いますが、彼らが日本で遭遇したお話として読んでいただければと思います。
ベルネルさんは現在台湾に住み、アリーセさんはエストニアのタルトゥにいます。

アリーセさん
タルトゥ大学の医学専攻として大学院で勉強しています。夏目漱石や村上春樹の小説がきっかけで日本や日本の文化に興味を持ちました。そこで、高校卒業から大学入学前のあいた期間を利用し、2020年春に日本への旅行をすることに。

アリーセさん(画像:アリーセさん提供)

ベルネルさん
タルトゥ大学大学院でOLED(有機EL)を専門として研究しています。現在は交換留学生として台湾の精華大学大学院にしております。2019年から北海道大学で1年間留学し、現在はコロナのため日本の文部科学省の奨学金が承認されているのですが、ビザ発給待ちの状況が続いています。(2022年1月時点)

ベルネルさん(画像:ベルネルさん提供)

北海道から本州に出る旅
ことは2019年に始まります。ベルネルさんは住んでいた北海道札幌から東北を目指し、オランダ人の同級生とヒッチハイクを初めて経験しました。北海道から本州へ渡るにはフェリーです。電車やレンタカーで行くにはお金がかかるため、ヒッチハイクで函館に行くことを目指しました。5時間ほど雨の中かかりましたが、余市から途中の倶知安まで行く家族が二人を車に乗せてくれ、下車する予定が、その松澤さん家族は、なんとベルネルさんたちのために、余市から倶知安の距離の3倍もある函館まで、そのまま乗せて行ってくれ、無事本州へ渡ることができ東北を1週間旅行を終えました。
函館まで乗せてくれた倶知安で暮らす松澤さん家族に約1ヶ月後、お土産を渡しに訪問しました。その後は仲良くなり何度も会い、札幌留学中は家族ぐるみでのお付き合いをすることになりました。

青春18きっぷでミニマムな旅をする
2020年春にベルネルさんの友達のアリーセさんが憧れの日本に旅行に来ることになり、エストニアから来たアリーセさんとベルネルさんは東京で待ち合わせをし、青春18きっぷを使いながら日本各地を訪れるふたり旅をはじめました。
まずは東京に2泊。その後、Airbnbで予約した鎌倉付近の宿が築100年ほどの素晴らしい日本家屋でした。ひとり1泊800円の純日本家屋は初めて過ごすリアルな日本の時間でした。
そして、富士山を目指し河口湖に滞在しました。レンタサイクルで向かったのは、富士山が真正面に眺められる贅沢な温泉でした。日本の旅行は海外と比較して素晴らしい日帰り温泉があるために、宿はそれほどでなくても、お得で充実した旅ができると感じました。

ハマった花札
富士山で泊まったホテルに「花札」があり、遊び方をインターネットで検索してこの遊びにハマ李ました。その後は、行く先行く先で花札を売っている店を探しましたが、今ではほとんど需要がないため、見つけることができませんでした。しかし、京都で奇跡的に発見し任天堂の花札をようやく手に入れました。海外ではkoi-koiというオンラインゲームとして花札は人気で、最近はオンラインで楽しんでいます。

鹿の礼儀正しさに驚く
富士山を後にした二人は、関西で名所旧跡を巡りました。奈良の鹿を見たときにびっくりしたのは日本人そっくりだったということです。おせんべいをもらう前に、必ずお辞儀をしているのです。日本人に似ているなと発見しました。
ベジタリアンであるベルネルさんが忘れられない日本の食べ物は、いなり寿司。京都の伏見稲荷神社に行ったときに食べたいなり寿司がこれまでで食べたベストだったと言います。他には、あんぱん、抹茶などの食べ物がベルネルさんの食生活を豊かにしました。


九州上陸
アリーセさん、ベルネルさん一行は、ヒッチハイクの旅の続きは関西から青春18きっぷで本州から九州に渡りました。北九州から平尾台公園までヒッチハイクをし、平尾台公園では地元の子供達と触れ合いました。ヒッチハイクでは、子供連れのお母さんの自動車に乗せてもらい、家の人に自宅に泊まれるように家族に交渉してくれるなど、人の優しさに触れました。


その後は別府、大分、熊本と九州を巡りました。ちょうど旅をしている頃、エストニアのTV3の番組で「Kaks kanget jaapanis(二人のしぶとい男たち)」という番組があり、エストニア人のおじさん二人が旅をする面白い内容です。彼らは九州の別府に行った収録がタイムリーに放送されていました。
実は別府という地名はエストニア語で近い音があり、「peppu(ペップ)」は「おしり」という意味ですので、別府にいるとエストニアに連絡をすると「おしり」ネタで笑われました。

最後に、何度かエストニアに訪れる方はタリンの名所旧跡は網羅しているかもしれませんので、旅好きのベルネルさんがお勧めする、他の場所を提案していただきました。

週末のRakvere(ラクヴェレ)
タリンからバスで2時間ほど東にある街がRakvere(ラクヴェレ)です。
日中はRakvere Linnus museum(ラクヴェレ城博物館)でさまざまなアクティビティがあります。3〜4時間ほどでまわれます。ランチはラクヴェレ城博物館内か街でいただきます。
ディナーや宿泊施設はRakvereのバス からバスで30分、歩いて25分の距離にあるVihula Manor Spaがお勧めです。施設内のサウナはさまざまなエストニアのサウナが体験できます。地元の料理も楽しむことができ、素敵な夜を過ごせます。翌日はVihula Mõis(ヴィフラマナーハウス)で過ごし、自然や風景を楽しみます。Rakvere(ラクヴェレ)に戻りNarva(ナルヴァ)へ向かい、Narva城に行きます。



迫力ある景観のRummu(ルム)
タリンからローカルバスに乗ってRummu(ルム)に向かいます。迫力ある素晴らしい景観の採石場を歩くことができます。
湖のほとりでもアクティビティを楽しむことができます。