心のコントロールをしながら、仕事をこなす リナさん

今回のインタビューは、カウナスに住むリナさんです。

リナさん(画像:リナさん提供)

学んだ技術を活かす3つの仕事

1つ目は社会人のための英語講師です。主に英語で仕事をする必要のある人が対象です。プレゼンテーション、交渉、説明をする時など、ビジネス英語を教えています。
2つ目は、心理学キャリアカウンセラー。ヒーリングを使った社会人や、学生がこれからの進路を考えるときにサポートをします。学生は主に外国からリトアニアに来た16歳から17歳前後の学生が多く、彼らはほとんど将来リトアニアではない、どこかの場所で生きていきます。それぞれの才能を発見し、ベストな選択を引き出すのがリナさんの仕事です。
英語講師とキャリアカウンセラーの仕事は基本的にはカウナスですが、時には出張もあります。
3つ目は、翻訳家です。英語からリトアニア語に翻訳をします。2004年から翻訳業を始め、これまで10冊ほどの本を翻訳しました。翻訳の主な分野は宗教や精神的な内容の本が多いです。最近翻訳したのは、子供の自閉症についての本でした。他には、Benny Lewis 著「Fluent in 3 Months”, Gary Chapman 」、Gary D. Chapman著「I wish I’d known before we got married.」もがリトアニア語に翻訳しました。リナさんは、心理学をヴィリニュス大学で6年間勉強し、そして翻訳の技術も学び、3つの仕事はリナさんの学習に裏打ちされた技術が活かされているのです。


コロナ禍を経た感覚

リナさんはキャリアカウンセリングの仕事の中で、コロナ禍において学生たちは、「新しい条件でどのように生き残っていくか」ということを模索していると感じます。
我々はオンラインという手法によって交流していますが、あるレイヤーにおいて、物足りない感覚を感じることは確かにあります。しかしそれと同時に、オンラインを使うことによって今までは会えなかった人たちに簡単に会うことができるようになりました。だから、良かったところや悪いこともどちらもあると思っています。
学生は学校の授業がオンラインになりました。リナさんの11歳の次女はオンラインがそれほど好きではなく、今はリアルで学校に行けるようになったで、とても楽しそうにしています。でも、別の生徒はオンラインが好きな生徒もいます。これは個人的な好みの問題なのかもしれないですね。

自然の中に身を置くリナさん(画像:リナさん提供)


世代による語学学習の違い

30年前のソビエト時代にはロシア語を勉強はしましたが、同時に英語も勉強しました。しかし、英語の番組や映画を観ることはできませんでしたので、リアルな英語に触れられなかったのです。当時はリトアニアではポーランドのニュース、映画、アニメ番組を観ることができたので、ポーランド語も容易に勉強することもできました。ロシア語については、どこでもロシア語に触れられる機会があったので、勉強する機会は非常に多かったのです。
現在の60歳以上の人々は、英語を話せる人は少ないです。50歳から40歳前後はほとんどの人が英語を話すことができると思います。しかし、どの地域で育ったかという問題はあります。人口の少ない村や町で育った人と大きな都市で育った人は当然環境が違います。それでも、語学を勉強することはできますけども。


日本の座禅を体験したい

リナさんは、何かを常に学ぶことを続けていきたいと思っています。ですから、毎日毎日新しい発見をすることです。もう一つの夢はさまざまな人の能力や才能を見つけて人生が調和の取れたものになるようにすることをサポートしていきたいと思っています。

最近リナさんは色々な呼吸法の練習をしています。呼吸法は、その人の心のバランスを整える働きがあります。ストレスで心が乱れるときにどうやって、心を穏やかにしてバランスを取るか。その一つの方法が呼吸法です。
日本の禅や仏教、それに伴う座禅にとても関心があります。リナさんは体験こともなければ、知っていることも少ないのですが、精神的、心理的訓練や呼吸法は全て古い伝統が根底にあると思っています。ただ、仏教はリナさんにとって一生をかけて学ぶには、とてつもなく深すぎるので、掘り下げることは難しいと感じています。

YouTubeやポッドキャストで練習

呼吸法を練習している方法は主にYoutubeです。
さまざまな呼吸法を教えてくれるTAKE A DEEP BREATHというチャンネルはよく観ています。あとは、ポッドキャストのBreathcastも良い番組だと思います。
これらを勉強するきっかけは、5年前に仕事でとても心が疲れたことがありました。どうやったら自分自身でこの不調を解決できるだろうと思ったのです。リナさんはすぐに心配になったり、敏感なので、すぐにストレスを感じてしまうタイプだと言います。
日本には吉本伊信の「内観」というものがあります。これも自分のバランスを整える方法ですね。日本にもし「また」行くことができたら、座禅を体験してみたいと思います。リナさんは、実は一度日本を訪れたことがあります。

娘さんのテレビ出演

2017年に東京、埼玉、神奈川に行きました。リナさんの長女がテレビ東京の「世界!ニッポン行きたい人応援団」に出演しました。長女の「丼」料理を作りたい。という願いを叶えてもらいました。
そのときにまだ17歳の未成年のため、リナさんが撮影同行することになったのです。滞在は1週間はテレビ番組の撮影、もう一週間はプライベートで母娘で観光したので合計2週間でした。

娘のサメさんと日本旅行でのワンショット(画像:リナさん提供)


日本の「丼」はリナさんも挑戦しました。実はお米を食べる習慣がないので、あまりお米は好きではないのですが、非常に新鮮で上質の「刺身」が大好きです。リトアニアの生活で、そんなにたくさん魚を食べることは日常はないので日本で美味しい刺身を食べたことが忘れられないです。
もう一つ日本の好きなものは「緑茶」です。日本に来るだいぶ前からリトアニアで飲んでいます。リトアニアでも普通に緑茶は購入できるのです。まさに、中毒です。
真夏に日本へ行きましたが、熱い緑茶をお願いすると、日本人はリナさんに驚いていました。そのくらい熱い緑茶が好きです。もし、次に日本に行けたら緑茶がどうやって作られるか、茶畑も行ってみたいと考えています。次は、きっとのどかな美しい自然のある場所に行きたいと思います。

リナさんの長女は11歳の頃から合気道を習っていて日本の文化に傾倒していきました。彼女は一度、東京の国際合気道センターを訪問し、どんどん日本にのめり込みました。リトアニア人が日本や日本語に「ハマる」時、リトアニア人は日本に対してエキゾチックなイメージが強いので、リナさんの長女に対してはただ「驚く」という感覚でした。実際、カウナスには多くの日本人留学生がいることも事実ですので、日本に対しては珍しいという感覚ではなくなりつつあります。彼女は現在21歳ですが、ロンドンで日本文化について勉強を続けてします。


リナさん流、リトアニアの味わい方

1.自然の中のトレイル
カウナスからすぐ近くに森があるので、リナさんは家族と10kmほどの散歩をします。ただ歩を進めるだけでも、森の中では落ちつき、自身を見つめることもできます。リトアニアには森はどこにでもありますので、どこの森でも素晴らしいですが、あえて言うならモレタイ(Molėtai)の近くの森や湖はおすすめです。



2.Mėnuo Juodaragisの音楽フェスティバル (リンクは21年のフェスティバルの内容です)
リトアニア人は休みになると森やそのそばにある湖の近くでキャンプを楽しみます。
毎年8月最後の週末に開催される有名なロックやフォークミュージックの音楽フェスがメウノ・ヨダラギス(Mėnuo Juodaragis)です。とても素晴らしい様々な音楽を聴くことができ、森に滞在します。リナさんは毎年のように家族と参加します。
宿泊したい場合は、テント持参ですが宿泊せず、日帰りで帰ることもできます。

2021年のフェスティバルの様子

3.冬の森
冬も、もちろん森を楽しみます。
ヴィリニュスリエプカリニス(Liepkalnis)という場所にはスキー場もあります。冬は家族でよくこちらへスキーに行きます。



4.クルシュー砂州(Curonian Spit)
バルト海とクルシュー潟の間にある細くてとても長い半島で世界遺産にも登録されています。リトアニアに来るなら必ずここは行ってもらいたい場所です。ただ宿泊施設はハイシーズンである夏は高めの価格ですので、シーズンオフになった秋はとても過ごしやすいですし、お財布にも優しいです。


リナさんとのインタビューを通じて、どのように自己の精神を保つか、セルフケアを実践されているその方法は、非常に参考になりました。身近に自然と触れることができる場所に身を委ねる。そんな生活ができるのも素晴らしいです。