リトアニアの民族衣装大集合!

9月のまだ残暑がある頃、駐日リトアニア大使館に伺ってきました。
駐日リトアニア大使館で行われたリトアニアの民族衣装に触れるイベントがあると知り、リトアニア民族衣装について知る機会をいただきました。知る機会がない方は多いかと思いますが、このレポートでリトアニアの民族衣装について少しだけでも知っていただける機会になればと思います。
現在の地域の自治区としては郡が最も大きな区分で、10の郡に分かれていますが、文化的区分は5つに分かれます。下の地図の違う色になっているエリアがそれぞれのエリアの場所です。

リトアニアの文化的区分の地図 出典:wikipedia

では、それぞれの地域ごとに民族衣装を見ていきます。

アウクシュタイティヤ Aukštaitija (北東部 高地)

場所はこちら(出典Wikipedia)

内陸かつ高地ということもあり、自然環境は厳しい地域です。
材料はリネンがよく育つ地域のため、全体的に素材はリネンを使っています。
赤い伝統刺繍をあしらったブラウス、エプロンは印象的です。ベストはベルベットの金の装飾がある高価な衣装です。男性は、グレーやベージュ、茶色、黒などの厚い生地でできていました。
19世紀の農民は、都会の富裕層のデザインに近くするために、織物のパターンを真似ていた影響が現れています。


ジェマイティヤ Žemaitija(北西部 低地)

場所はこちら(出典:Wikipedia)

ジェマイティヤの民族衣装はとても華やかで、女性のスカートは縦縞模様です。このスカートの下に5枚のスカートを履いています。特徴的なのはエプロンは縦のストライプ模様を基調としています。白と赤のチェック柄のスカーフで頭を覆います。スカートもチェック柄が多い中、マルチストライプ柄がエプロンの柄と合わせていて、人々のこだわりが感じられます。

ズーキヤ Dzūkija (南東地域)

地図はこちら(出典Wikipedia)

オーバーコートのパイピングが印象的なズーキヤ地方。女性のベストは豪華な生地で作られています。既婚女性は白い帽子をつける習慣がありました。ベストの金の生地が他の地域ではあまり見られない色で印象的でした。

スヴァルキヤ Suvalkija(南西部)

地図はこちら(出典Wikipedia)

バルト海沿岸の地域で、非常に濃い色で、コントラストが強い衣装が特徴。
エプロンは丁寧に織られた模様で、ブラウスのそでが大きく華やかに見えました。ギャザーが多いほど生地を多く使う必要があるため、裕福の証だったそうです。男性のオーバーコートは白に近いベージュで黒いパイピングが施されています。ベルトが色とりどりの糸を使ったもので、シンプルな衣装の中にも美しい柄を使った帯は個性を表すアイテムだったのかと思いを馳せました。

クライペダ地方(Klaipėdos kraštas)
※リンク先では小リトアニアとありまして、エリアの大きさも時代によって変わりましたがその地域に近いため、リンクさせました。

地図はこちら(出典Wikipedia)

カラフルな色の民族衣装とは趣が異なるこの地域の衣装。黒や濃い色が高貴な色とされ、多用されました。濃い鮮やかな青色のネックレスはガラスを用いて作られました。バルト海沿岸ということもあり、琥珀は珍しいものではなかったため、琥珀を身につける習慣はそれほどありませんでした。右側のポシェットが可愛いですね。


どの地域も様々な特色が出て、リトアニアの中でも明らかに文化的に違うということで、それぞれのエリアで誇りを持って衣装を大事にされていました。息子さんが着ていた地域とご自身が着ていた地域と民族衣装違うという方は、お父さまの出身地域が別の地域なんですよ。とお話され、家庭の中でも出身地が違ってもそれぞれの地域を尊重していることがとても印象的でした。
このイベントを開催するにあたってリトアニア各地域から多くの衣装を運んで準備したのだろうと思うと、大変だったのではないかと感じました。また、民族衣装は生活や自然環境で大きく変わってくるということもあり、その辺りはもう少し調べてみたいと感じました。

また、大使ご夫妻はまもなく離任し、日本を離れるということで、最後にご挨拶をされていました。
様々な交流をされ、日本でよりリトアニアを知ってもらえる活動を終始されてきた、ゲディミナス大使ご夫妻を
会場は大きな拍手につつまれていました。